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幻魔大戦(平井和正)角川文庫

『幻魔大戦 第1巻 幻魔宇宙』(平井和正)角川文庫

幻魔大戦 第1巻 幻魔宇宙

パリからニューヨークへ向かうジェット旅客機の機内に、素晴らしい美女が座っていた。トランシルヴァニア国の王女ルナ姫である。彼女は、未来透視の優秀な才能を持つ神秘家ミスティックだった。

精神を集中して予知夢の世界に入った彼女の意識を、突然、強烈な衝撃が襲った。彼女のひざの上の水晶球がさくれつし、そのかけらが機内に飛散した。彼女は、この旅客機がまもなく爆発する事実を知ってしまったのだ。そして、「ジェットが落ちる!」という彼女の絶叫の直後、凄惨な現実が訪れた――。

宇宙の破壊者“幻魔”と、ルナ姫を中心に結束する正義の超能力者エスパーの戦いを描く壮大な宇宙ドラマ第一弾!

『幻魔大戦 第2巻 超戦士』(平井和正)角川文庫

幻魔大戦 第2巻 超戦士

地球征服を企む、宇宙の巨大な破壊者“幻魔”。その力は、星の一つや二つ、一瞬のうちに消滅させてしまうほどのものすごさである。そして今、幻魔のせんぺいが早くも地球に侵入していた。
 幻魔軍団には、いかなる近代兵器もまったく用をなさない。彼らに対抗し得るのは超能力者エスパーだけであった。地球防衛のため、自らも偉大なエスパーであるトランシルヴァニア国の王女ルナ姫は、宇宙戦士ベガと共に世界中から有能なエスパーを探し集めていた。そして、その中に日本の高校生あずまじょうがいた……。
 宇宙の邪悪な存在に敢然と立ち向かう正義のエスパー戦隊の活躍を描く、壮大な宇宙ドラマ第二弾!

『幻魔大戦 第3巻 最初の戦闘』(平井和正)角川文庫

幻魔大戦 第3巻 最初の戦闘

「あっ!」じょうの唇から激しいきょうがくの叫び声がほとばしった。彼にはもはや、狭い自室のたたずまいは見えず、せんこうと銃声のさ中でたけり狂ったハーレムの群衆が、シネラマのスクリーンを見るような迫力で眼前に迫ってくる。その時、女の鋭い悲鳴が丈の超常感覚を呼び覚した。ルナ姫がテレパシーで救いを求めているのだ。「姉さん、王女を助けにアメリカへ行く!」と言うやいなや、丈はいかなる高速ミサイルも及ばぬスピードでしょうし、残像を残して消えた――。
 遂に開始された邪悪な“幻魔”の地球侵攻に敢然と正義の戦いを挑む超能力者エスパー戦隊の活躍を描くシリーズ第三弾!

『幻魔大戦 第4巻 救世主への道』(平井和正)角川文庫

幻魔大戦 第4巻 救世主への道

並みはずれた体力のざきけもののようにえながら、木刀を振り降ろした。じょうは微動だにせず、これを頭上で受けた。丈のひたいに筋を引いて鮮血が流れる。田崎は、素手の相手を撲殺した恐れにおののいた。その時、「それで気がすんだのか?」と丈が平然といった。
 高校二年の超常能力者、あずま丈の周辺に変化が生じた。なぜか、彼のまわりに人が群がり始めたのだ。やがて“GENKEN”と呼称される組織が結成され、全校的な規模に広がっていった。丈は、これを全人類的な愛の結束にまで高め、幻魔の侵略に対抗しよう考えていた。だがその時、強力な邪魔者が現われた。
 好評の「幻魔大戦」シリーズ第4弾!

『幻魔大戦 第5巻 巡り逢い』(平井和正)角川文庫

幻魔大戦 第5巻 巡り逢い

高校生超能力者あずまじょうは、ごく短期間のうちに見違えるような人間的成長をげた。彼がしゅさいする研究会「GENKEN」はまたたく間にその規模を拡大し、今や校外にまで支部ができていた。
 だが全宇宙的なきょう幻魔の地球侵攻を真に理解する者は少なく、組織の巨大化に伴う利権をねらう劣悪な大人の会員が多い。この傾向を苦々しく思っていた丈は、新支部結成の幹部会席上で、遂に怒りをあらわにした。すると信じられないような現象が起きた。全開になった窓から真冬の寒冷がようしゃなく吹き込んでいるにもかかわらず、室内が燃えるような暑さにおおわれたのだ!
 圧倒的好評を博すシリーズ第5弾!

『幻魔大戦 第6巻 悪霊教団』(平井和正)角川文庫

幻魔大戦 第6巻 悪霊教団

理路整然と言い返すじょうに、父りゅうすけの怒りが爆発した。彼は、卓上の厚手のウィスキー・グラスをつかむや否や、丈の顔めがけて思い切り投げつけた。丈のひたいが割れた、と思った瞬間、さりげなく伸びた丈の手が寸前でグラスをとらえ、一滴もこぼさずに卓の上に戻していた!
 ようやく落ち着いた父から聞いた話はきょうたんすべきものであった。戦火のどさくさに生まれた丈は、今の父の本当の子かどうかわからない。そして幼時には、庭のいしどうろうを飛ばしたり、大きな蛇や狼の化物を呼び出して遊んでいたというものだった……。
 明らかにされた丈の出生の秘密。いよいよ佳境に入ったシリーズ第6弾!

『幻魔大戦 第7巻 浄化の時代』(平井和正)角川文庫

幻魔大戦 第7巻 浄化の時代

幻魔にひょうされたろうの行為はあまりにも卑劣だった。まがまがしい祭壇の上に、純心な女子高校生ようが気を失い、全裸で横たえられている。肌はあおじろく、いたましい姿だった。
 彼女に何か危害を加えられたことは明白である。「何をしたの?」 突き上げる不安に、は鋭く詰問した。だが、四朗は嘲笑を浮かべ、うそぶいている。三千子は怒りに熱くなった。すると、三千子の全身からすさまじい火炎が放射され、四朗の顔面が熱で溶解し始めた。そして中から、異形のものの無気味な素顔が……。
 あやしい力を身につけ、丈の活動を徹底的に妨害する幻魔の手先江田四朗。敢然とこれに対決する丈と姉の三千子の活躍を描いた、シリーズ第7弾!

『幻魔大戦 第8巻 集結の時』(平井和正)角川文庫

幻魔大戦 第8巻 集結の時

講演会の成功により、「GENKEN」事務所に素晴らしい人材が加入してきた。現役の秘書で遠感能力者テレパシストすぎむらである。さすがプロだけに由紀の仕事ぶりは鮮やかで、山積する業務をテキパキと処理していった。
 だがその頃、恐るべき幻魔の魔手が、じょうのアシスタントいくを襲っていた。まだ十代の彼女が子宮がんというごうびょうに取りかれたのは、明らかに幻魔の仕業しわざである。見破った丈は、由紀と、いちの弟あき遠感テレパシーを借りて、邪悪な病魔の摘出に全エネルギーを注ぎ込んだ!
 エスカレートする幻魔の攻撃。強力な超能力者を味方に得て正義の戦いをいどむ丈の活躍は? シリーズ第8弾!

『幻魔大戦 第9巻 青い暗黒』(平井和正)角川文庫

幻魔大戦 第9巻 青い暗黒

「手をつかまえているんだ。何が起きても放すなよ」 いくすぎむら由紀ゆきじょうの左右の手をそれぞれしっかり掴んだ。丈の手から生体エネルギーが二人の体に流れ込み、精気が充満してくる。
 午前二時、突如、ぶんと不快なうなりが部屋中をふるわせた。荒々しい邪悪な波動が体当りしてきたのだ。しかし丈の築いた力場はびくともしない。やがて青黒いうろこを持った恐竜のような顔が闇の中に浮かび始めた。焦りと憎悪でその目が真赤に燃え上がっている。だがそれも束の間、恐竜のしゅうぼうが一変し、別な顔が現れた。そしてその顔を見た瞬間、丈は思わず息を飲んだ……。
 凶悪な幻魔の手から郁江を救おうとする丈たちに危機が! シリーズ第9弾。

『幻魔大戦 第10巻 超能力戦争』(平井和正)角川文庫

幻魔大戦 第10巻 超能力戦争

いくが病院からいなくなりました」電話の向こうで気の抜けたようなつぶやきが聞こえる。郁江の父親からだった。幻魔の仕業ではという不安がの心を覆った。弟のじょうには連絡がつかない。三千子は出来るだけ冷静に相手をなだめ、電話を切った。もし、丈が報復のため、その巨大な超能力を行使したら……?
 幻魔と力と力の対決になれば、丈は圧倒的な勝利を得るだろう。だが、幻魔の目的は暴力的な低次元の闘いに丈を引きずり込み、丈の信用をがた落ちさせることにある。三千子は肝の冷えるような恐ろしさを味わった。
 大好評のシリーズ第10弾!

『幻魔大戦 第11巻 闇の波動』(平井和正)角川文庫

幻魔大戦 第11巻 闇の波動

広大な宇宙で数百億年もの間、延々えんえんと続いている超大規模な戦闘。それはすさまじい破壊力で全宇宙を壊滅させようとする暗黒の軍団“幻魔”と、宇宙を守るために立ちあがった“大連盟”との戦いである。だが戦況は幻魔の圧倒的優位に展開し、銀河系宇宙も戦いの渦中に巻き込まれていった。そして今、地球が幻魔の侵攻にさらされている!
 いかなる近代兵器も通用しない幻魔のただ一つ対抗しうる手段は、超常能力の結集であった。驚異的念動力を持つ日本の高校生あずまじょうは、地球の超能力者戦団のリーダー、ルナ姫の啓発で、恐るべき幻魔の侵攻を人々に知らせる組織“GENKEN”を創設した。短期間に信じ難い人格的成長を遂げた丈の魅力にかれて多くの人が集まり、組織は急速な発展をみた。
 だが、巨大化していく組織の運営の難しさや、親衛隊である有力会員を襲う幻魔の卑劣な妨害工作に、丈の苦悩は深まるばかりであった。幻魔のためにがんわずらった親友ざわいくせき的に救った直後、丈はかねてから執筆していた幻魔大戦の原稿の出版が決定した。そして今、“GENKEN”は新年講演会に向けて活況を呈している……。
 ますます白熱する幻魔との闘い。大好評のうちに迎えたシリーズ第11弾!

『幻魔大戦 第12巻 大変動への道』(平井和正)角川文庫

幻魔大戦 第12巻 大変動への道

幻魔ろうに軟禁されて悪の洗脳を受け、今や、その手先に成り下がっているはずのようが戻ってきた。GENKENの新年講演会場に姿を現わしたのだ。彼女は、幻魔のスパイとして送り込まれたのだろうか?
 じょうざわいくは、まったく抵抗なく陽子を受け入れたが、過去の事情を知っている古い会員たちは動揺した。とりわけ、丈の秘書杉村由紀は、なぜか激しい胸騒ぎを覚えるのだった……。
 愚かなあやまちを繰り返し、滅亡への一途を辿たどる人類に警告する、好評のシリーズ第12弾!

『幻魔大戦 第13巻 魔王の誕生』(平井和正)角川文庫

幻魔大戦 第13巻 魔王の誕生

GENKEN事務所に屈強な四人の男が入ってきた。鋭い目付きや黒背広の彼らは一目でヤクザとわかる。ひときわ貫禄のある男が、会長のじょうに会いたいと申し出た。以前、いくたかとりに痛めつけられた手下のことで因縁をつけに来たのだ。男は、素直に応じなければ会の醜聞スキャンダルにして外部に流すとおどし始めた。受付の女性たちはおびえ切って満足に応待できない。
 その時、執務室から郁江が出てきた。彼女は、その場の様子を一瞬のうちに察知すると、「先生には後で説明するわ」と言い残し、外に待機する彼らの車に平然と乗り込んだ……。
 組織の存亡にかかわる危機を丈はどう乗り切るのか? 好評のシリーズ第13弾!

『幻魔大戦 第14巻 幻魔との接触』(平井和正)角川文庫

幻魔大戦 第14巻 幻魔との接触

いくは指定された通り、コイン式望遠鏡で景色をながめ始めた。「何か面白いものが見えますか?」 突然、背後で声がした。幻魔が現われたのだ。幻魔は、振り返ろうとする郁江を制して望遠鏡を正面のビルの屋上へ向けさせた。あっ、という声が郁江ののどかられた。もう一人の郁江が、じっとこちらを見返していたのだ!
 ろうを裏切った幻魔の一人が“GENKEN”に内通してきた。幻魔担当係の郁江がじょうの名代で接触を試みたのだが……。
 じわじわと忍び寄る幻魔の魔手。週末は近い。あずま丈は切迫した人類の危機を救えるか? シリーズ第14弾!

『幻魔大戦 第15巻 幻魔の標的』(平井和正)角川文庫

幻魔大戦 第15巻 幻魔の標的

GENKEN箱根セミナーの二日目は、初日とは異るたかぶりの中に明けた。雰囲気はがらりと変り、いらたしい不快な緊張感がおういつしている。あずまじょうが渡米の準備で夜のうちに帰京し、セミナーが丈抜きで行われるなどといううわさがもっともらしく人々の間に浸透していた。さらに、金髪美女や黒ん坊の幽霊を見たという会員もかなりいて、全体に浮き足立っている。セミナーどころではなかった。だが、この混乱を見事に静めた者がいる。ざわいくだった。彼女は、巧みな話術で聴衆を自在に操り、人々を完全に魅了してしまった……。
 忍び寄る恐るべき幻魔。会の中心的人物にも魔の手が迫る。大好評のシリーズ第15弾!

『幻魔大戦 第16巻 光の記憶』(平井和正)角川文庫

幻魔大戦 第16巻 光の記憶

主宰のあずまじょうが不在のまま継続されたGENKEN箱根セミナーも、いよいよ大詰を迎えていた。だが、ざわいくの独断専行に、一部の会員たちから強い反発が出てきた。
 まず、秘書室の年長者なつもとゆきが、会長の丈が留守の間は何事も幹部会員の合議制で決めるべきだと郁江を非難した。これに対し郁江は、自分が丈から会の運営を内々に任されたことを知らせた。ショックを受けた幸代は、血相を変えて部屋を飛び出していった。その時、入れ違いに入ってきた無名塾のざきしらうずはるが、恐るべき情報を持ち込んできた……。
 幻魔に打ち勝つ唯一の手段、光のネットワークは完成できるのだろうか? 大好評のシリーズ第16弾!

『幻魔大戦 第17巻 光のネットワーク』(平井和正)角川文庫

幻魔大戦 第17巻 光のネットワーク

いよいよ明日は、じょうみょうだいでアメリカへ行かなければならない。丈の秘書を解任され、後釜にはいくが選ばれた事実に、すぎむら由紀ゆきは落胆していた。自分に落度があったとはどうしても思えない。こみ上げてくる虚しさに、由紀はしょうに酒が飲みたくなった。そして、衝動的に赤坂のホテルへ足を向けると、たて続けにグラスを空けた。
 だが、泥酔し、疲れ果ててマンションの部屋に戻ってきた彼女は、恐るべき事態に遭遇した。ざんぎゃく極まりない、あの暴力団つか組の幹部とうが待ち伏せしていたのだ……。
 幻魔の標的はあずま丈の側近杉村由紀だったのか? 大好評のシリーズ第17弾!

『幻魔大戦 第18巻 ハルマゲドン幻視』(平井和正)角川文庫

幻魔大戦 第18巻 ハルマゲドン幻視

旧約聖書で“主の日”と呼ばれる人類滅亡の日、すなわちハルマゲドンの予告は、過去に数多くなされてきた。〈山々は主の前に揺れ動き、丘々は溶け去る。大地は御前でくつがえり、世界と、これに住むすべての者も……〉
 “主の日”は、ノアの大洪水、ソドムとゴモラの滅亡、そしてバビロン壊滅という形で現われ、その予言はいまだ有効である。その日が訪れるのは必ず、おごり高ぶったそんな人類、道義的に腐敗しきった人間たちに対する神の怒りが頂点に達した時だ。そして“主の日”こそ救世主再臨の日でもあるのだ!
 物質文明に完全に毒され、心の貧困に陥った現代の人類に、滅亡をもたらす“主の日”は近い。

『幻魔大戦 第19巻 暗黒の奇蹟』(平井和正)角川文庫

幻魔大戦 第19巻 暗黒の奇蹟

自ら身を投げ出してれいじゅうを誓うかわむらようを見下ろしていたたかとりけいすけうちに、力強い誇りとたかぶりが湧き上がってきた。高鳥は真剣に世界の帝王たることを欲した。全ての人間を足許にひざまずかせたいと望んだ。その時突然、体が炎を発したように熱くなった。やがて、彼の体内から何かが急速にのどへせり上がってきた。両手で喉をつかみながら、高鳥は驚いて見上げる蓉子の前にバラバラと異物を吐き出した。それはパチンコ球ほどのサイズの黄金きん色に輝く円球だった……。
 “真の救世主”と自認する高鳥慶輔の恐るべきパワー。主宰あずまじょうを欠くGENKENの前に新たな脅威が! 大好評のシリーズ第19弾。

『幻魔大戦 第20巻 光芒の宇宙』(平井和正)角川文庫

幻魔大戦 第20巻 光芒の宇宙

ざわいく主導の形で運営されるGENKENは、次第に全体のまとまりに欠け始めた。郁江の親衛隊ができ、会の内外に対し、横暴な行動をとるようになった。また、郁江自身も、あずまじょうからあとを託された重責と焦りのためか、持前の軽妙さが影をひそめ、エキセントリックな面が目立つようになった。
 郁江の立場を理解しながらも、無名塾のメンバーを中心に、会のあり方に対する批判が出始めた。そうしたさ中丈の姉三千子が警察から呼び出しを受けた……。
 揺れ動くGENKEN。光のネットワークは果して完成するのだろうか?
 読者待望の第一期完結篇。


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