田舎力 ヒト・夢・カネが集まる5つの法則
(
金丸 弘美 )
◆成功する田舎には、ビジョンとドラマがある
◆「ないないづくし」にあえぐ地方の中から、都会もうらやむ活力と雇用を創出する田舎が出てきた。地域おこしの成否は、いったいどこで決まるのか。全国800の農山漁村をまわってきた著者が、「発見力」「ものづくり力」「ブランドデザイン力」「食文化力」「環境力」の5つの力に焦点を当てて検証する。ふるさとに生きがいと誇りを取り戻す一冊。
目次
まえがき
第1章 発見力
~「なにもない」土地に眠る宝を探せ
海外の学生を魅了した「過疎の島」
「そのままの日本」
「外の目」が埋もれた観光資源を発見する
「かっこいい田舎」をヨーロッパで知った若者たち
日本版グリーンツーリズムの広がりと課題
温泉を取り入れたツーリズム
城下町・竹田から広がる広域連携
商店街版・あるもの探し
若者の夢をかなえる「貧乏人チャート」
イノベーションする古い町並み
「ノスタルジー」から新しい価値創造へ
第2章 ものづくり力
~ビジョンを抱いて、きちんと作れ
食による地域おこしは「きちんとした」ものづくりから
間違いだらけの「特産品」
食のグローバル化
影をひそめた「地場もの」と郷土料理
市場原理に駆逐された伝統野菜
食の地域色がわからなくなった担当者たち
作り手と買い手のボタンの掛け違い
食感度の高い女性を巻き込め!
農家レストランの先駆例
「第六次産業」としての農業/景観と調和したデザイン
新しい「豊かさ」の追求「海栗植えてハワイに行こう!」
「離婚してでも行って来い」
第3章 ブランドデザイン力
~ヒットの秘訣は地域に訊け
ものづくりを拠点に地域をブランド化
あらゆるアイデアでゆずを売る馬路村
徹底的に田舎を「売り」にする
トラック1台から始めたゆず製品販売
村の「公認飲料」誕生
夢で龍馬に激励され発奮
地元材料を演出に活用
近隣地域との連携
支持される「ファーム」直営レストラン
ものづくりとソフトを総合的にプロデュース
地元の人に愛される豚を作りたい
付加価値の追求~ハムづくり
運命を変えたウインナー教室
消費者ニーズを具体化した体験型ファーム
団塊世代の「週末農業」ニーズにこたえる
ソフト吸収は貪欲に
出荷できない果物をジェラートに
農家が自立できる直売所を
地域のPR拠点としての機能
第4章 食文化力
~食材の背景を知り、発信せよ
食文化の学びと発信の有効な結びつき
「おいしさ」の表現が豊かになるワークショップ
「現場を見たい!」消費者の声
「スローフード」との出会い
スローフードが教えてくれたテキストとワークショップ
サフランから出発した食のテキストづくり
一流シェフの手料理を味わう
味覚は10歳までに育つ
味覚は文化である
地に足が着いた情報の重要性
身近な関心と食の現場を結びつける
テキスト作成と食を体験するワークショップ
ワークショップが生んだ国際的展開
「イタそば」誕生!
広報ツールとしてのテキスト
第5章 環境力
~持続可能なコミュニティを目指せ
環境は、取り戻せる
農薬を減らせる「耕さない」田んぼ
ゆっくり育てた苗の強さ
耕さない田んぼに生き物が戻って来た
自然保護か農業振興か
水を張った田んぼを鳥たちの居場所に
科学的調査と連携による環境保全
コウノトリとの約束を果たす
官民一体・コウノトリ保護の50年
広がる農と環境の学び
放鳥の日のために
コウノトリを育む農法が安心のブランドを生む
目標は「安心を食べること」
行動する子どもたち
地域ぐるみの環境教育
日常にドラマを生んだコウノトリとの共生
「スローシティー」という発想
持続可能な地域づくりを