商店街はなぜ滅びるのか 社会・政治・経済史から探る再生の道
(
新 雅史 )
◆商店街はまったく伝統的な存在ではない。現存する多くの商店街は20世紀になって人為的に創られたものだからである。(本文より)――商店街はどういう理由で発明され、繁栄し、そして衰退したのか? 郊外型ショッピングモールの乱立だけが、商店街衰退の原因なのか? さらに、地域コミュニティの要となる商店街の再生には、どういう政策が必要なのか? 気鋭の社会学者による画期的な論考! 上野千鶴子氏推薦!!
◆極めて近代的な存在である商店街は、どういう理由で発明され、そして、繁栄し、衰退したのか? よく言われるように、郊外型ショッピングモールの乱立だけが、商店街衰退の原因なのか? さらに、地域コミュニティの要となる商店街の再生には、どういう政策が必要なのか?膨大な資料をもとに解き明かす、気鋭の社会学者による画期的な論考。
目次
序章 商店街の可能性
第1章 「両翼の安定」と商店街
1-1 「抜け道」のない日本社会
1-2 「雇用の安定」と「自営業の安定」
1-3 商店街は伝統的なのか
1-4 近代家族と商店街
1-5 社会理論と商店街
1-6 本書の構成
第2章 商店街の胎動期(1920~1945)──「商店街」という理念の成立
2-1 発明された商店街
2-2 都市の拡大と零細小売商
2-3 「商店街」という理念
2-4 2つの商店街──「繁華街」の商店街と「地元」の商店街
第3章 商店街の安定期(1946~1973)──「両翼の安定」の成立
3-1 爛熟する商店街
3-2 経済成長と完全雇用の矛盾
3-3 小売商の保護施策
3-4 価格破壊と商店街
第4章 商店街の崩壊期(1974~)──「両翼の安定」の奈落
4-1 コンビニと商店街の凋落
4-2 日本型福祉社会論と企業中心主義
4-3 日本問題と構造改革
4-4 財政投融資と「地域」の崩壊
4-5 商店街の内部崩壊とコンビニ
第5章 「両翼の安定」を越えて──商店街の何を引き継げばよいか
5-1 近代家族と日本型政治システムに支えられた商店街
5-2 規制と給付のバランスをめぐって