地域活性化ビジネス 街おこしに企業の視点を活かそう
(
岡田 豊 )
◆国・自治体に頼らない。企業主導で地域を活性化する!
◆人口減少時代の地域活性化をビジネスの視点で考える本。地域おこしや街おこしは、これまでは国や自治体が主導する事例が目立った。しかしこれからは企業のビジネス感覚をフル活用して、地域の潜在的資源を活かしたり、施設の建設・管理でコスト意識を発揮することが求められる。
◆青森県八戸市「八食センター・みろく横丁」、伊勢市「おかげ横丁」、北海道倶知安町「ニセコアドベンチャーセンター」、神戸市「北野工房のまち」、愛媛県西条市の地域農業活性化、北海道が取り組む国際的な食クラスター形成など、全国各地の多数の事例を紹介。シンクタンク研究員が成功の要因を整理し、地域活性化戦略をアドバイスする。
目次
はじめに
第1章 厳しさ増す人口減少時代の地域活性化
1 加速がつきつつある地方圏の人口減少
目立つ若い女性の転出
都市部でも進む「過疎化」
2 人口減少地域における東日本大震災の復旧・復興
人口減少地域を襲った未曾有の災害
復旧か? 復興か?
第2章 東日本大震災と地域活性化
1 東日本大震災の被災地の人口・産業の特徴
阪神・淡路大震災を参考に進められた復旧・復興予算議論
衰退目立つ産業を抱えた東日本大震災の被災地
東日本大震災の被災地と特徴が似ている北海道南西沖地震の被災地
2 過去の震災被災地から得られる教訓
阪神・淡路大震災:神戸市長田区の再開発と地場産業復興に課題
北海道南西沖地震:巨額の公共事業でも日本有数の人口減少に苦しむ
「迅速な復興」の難しさ
人口減少時代に求められる「縮小型の街づくり」
3 農地利用の効率化・高度化への取り組みに対する期待と現実
宮城・福島の二県を中心とする農地被害
がれきの除去や除塩作業による農地の復旧と、復興に向けた農地の利用戦略
農地集約や先端的な農業技術の実証実験等に向けた国の取り組み
試金石となる仙台東地区での整備事業
試される国の農業復興に対する「本気度」
補記:ある青年起業家による被災地農業の復興に向けた奮闘
4 復興予算の使われ方~予算執行の遅れの背景~
一九兆円にのぼる復興予算
執行遅れる公共事業
第3章 薄れる公共事業・工場誘致・観光振興の効果
国土の均衡発展の限界
1 薄れる公共事業の効果
必要不可欠な維持・更新投資
効率的な公共事業の配分には、地方分権の確立が不可欠
2 製造業誘致の雇用創出効果も低下
非正規化の進展などによる雇用の不安定化
製造業誘致の効果も低下
グローバル化の進展で製造業の質が変化
3 期待される交流人口の増加
地域活性化としての観光産業
第4章 企業が主役の地域活性化事例
1 住民を重視せよ
青森県八戸市「八食センター・みろく横丁」:外食充実が評判を呼ぶ
京都市「新風館」:電話交換局が京都随一の若者に人気のスポットに変身
2 付加価値を追求せよ
伊勢市「おかげ横丁」:一企業によるこだわりの地域活性化事業で街並みが一変
伊賀市「伊賀の里モクモク手づくりファーム」:農業の六次産業化のお手本
3 「よそもの・わかもの・ばかもの」を活用せよ
北海道俱知安町「ニセコアドベンチャーセンター」:外国人が起こした観光の革命
岐阜市「G-net」:出戻りの若者による、中小企業と若者のミスマッチ解消事業
佐倉市「ユーカリが丘」:長期間にわたる、企業によるニュータウン開発の「奇跡」
4 地域イメージはわかりやすく見せよ
神戸市「北野工房のまち」:企業主導で、ものづくりの文化を体験できる場を創設
秋田市「超神ネイガー」:元プロレスラーによる、地産地消型ローカルヒーロー
第5章[詳細レポート]各地で進められる地域活性化と企業の関係
1 企業との「二人三脚」で地域農業の活性化に取り組む愛媛県西条市
「未来都市モデルプロジェクト」実証地域への指定
中核的な事業主体であるサンライズファーム西条
総合特区の申請と連携・産業集積の体制整備
産地形成に向けた規模拡大や食関連事業の創設・誘致
企業の活力を利用した地域農業の振興に向けて
2 日本初となる国際的な大型食クラスターの形成に取り組む北海道
オランダの「フードバレー」を手本とする食クラスターの形成へ
北海道フード・コンプレックスの目標と取り組み方針
北海道の強み
食の新たな価値創造に向けて
3 復興に向けた地域活性化に企業参加がどのような好影響を与えたのか~福島県会津地方における企業と自治体の連携の試みを通じて~
福島一の企業がなぜ会津地方活性化に関わったのか
会津地方が抱えている課題をどのようにとらえるのか
価値創造への遠い道のり
なぜ「ThisisJapan!観光促進」なのか
これからの會津価値創造フォーラム
「會津ユナイテッド」を目指して
4 富山市中心市街地が「お花畑」になった理由
決して富山の真似をしてはいけない
小売年間販売額一〇〇〇億円ダウンの現実
「iモールトレンド」で商店街を分析する
活性化とは「秩序ある摩擦」である
良の摩擦をおこせ①富山市中央通り有限会社エスニックワールドの場合「民間再開発ビルminimall091」
良の摩擦をおこせ②富山市荒町有限会社ホリーズプランニングの場合「一企業による商店街商品券事業マグチケ」
第6章 地域活性化における企業の「トリセツ」
企業は地域活性化をどうとらえているのか~みずほ総合研究所アンケート調査から~
企業は地域活性化へもっと主体的に貢献したい
地域活性化にもっと企業を活用せよ
地域は企業の「トリセツ」を理解して人口減少時代を生き抜こう!