なぜ繁栄している商店街は1%しかないのか
(
辻井 啓作 )
◆あなたの街の商店街を再生させる“本当の方法”、お教えします。 中目黒、大久保、中野、南堀江、三条通、玉宮通り、上乃裏通り……元気のある街の共通点とは?
◆〈これが実態〉◎活性化事例のほとんどがウソか誇張 ◎仮に商店街が活性化しても商店は儲からない ◎「まちづくり」では商店街は再生できない……“元コンサルタント”が本音で語る、現在の商店街活性化施策の限界と新たな提言
目次
序章
第1章 繁栄している商店街は1%だけ
❖全国に増殖する「シャッター街」
「衰退」が75%以上
ショッピングセンター犯人説と商店街犯人説
衰退した要因=活性化しない要因ではない
❖活性化している商店街の共通点
COLUMN どうして広い売り場の店のほうがモノが売れるのか
第2章 そもそも「商店街」とは何か
❖新宿・銀座も「商店街」である
商店街は「商店が集まっている場所」
商圏の規模や立地による商店街の分類
組織の違いによる商店街の分類
❖商店街の活性化事業とは?
国と都道府県の予算、市町村の〝裏負担〟
商店街施策の変遷
❖「商店街という場所」と「商店街の組合」の混同
組織がなければ施策の対象にならない
場所と組合の混同が生む弊害
❖商店街組織の課題
低い加入率、商店のニーズと異なる事業
運営力を欠き、流行ったイベントのまねばかりに
根本的には商店街組織そのものが妨げ
COLUMN 商店街の組織はどのようにできたのか
COLUMN 商店街は補助金で潤っているか
第3章 「まちづくり」を目指した過ち
❖組合に商店街活性化を任せるな
商店街が活性化しても商店は儲からない
活性化で儲かるのは地主と市役所
誰が活性化を担うべきか
「商店街の組合」は本当は何をすべきか
❖なぜ「まちづくり」なのか
「まちづくり」ブームの違和感
商店街活性化=まちづくりの弊害
COLUMN 100円商店街、まちなかバル、街コンはいかにして始まったか
第4章 それでも商店街の活性化が必要な理由
❖「商店街=地域コミュニティ」は説得力がない
振興目的ありきの後付けの理由
地域文化の継承? 買い物難民の救済?
コンパクトシティの実現による自治体の支出軽減
❖新規創業の場としての存在価値
活性化が必要な最大の理由
商店が成長すれば物価の安定につながる
COLUMN たとえ寂れていても、商店街には魅力がある
第5章 商店街の変革――練馬区江古田、広島県呉市の体験から
❖練馬区江古田での「勝手に活性化」
学生サークルが行った商店街の活性化
やりたい人と商店街の場をつなげる
❖商店街活性化につながる発見
「店」の存在が商店街を変えていく
地域の人脈を広げ、人をつなぐ
❖広島県呉市での活性化の挑戦
「まちおこし特別委員会」の立ち上げ
最初のイベントは電飾のトナカイを並べただけ
防犯カメラの設置がもたらしたもの
専任タウンマネージャー配置による事業の躍進
〝店が店を呼ぶ〟状態を作り出す事業モデル
NPO設立と『がんばる商店街77選』の表彰
その後、活性化事業は衰退してしまった……
第6章 商店街はこうすれば活性化できる
❖活性化の目標を見直す
❖商店街活性化のロードマップ
商店街活性化のための組織を設置する
イベントを行い、商店街への注目を集める
環境を整備し、新たな出店を誘導する
イベントと出店誘導のサイクルを繰り返して、規模を大きくしていく
❖タウンマネージャーの役割
日本におけるタウンマネージャーの実情
どんな人材をどうやって確保するか
地元で後ろ盾となる人物が必要
COLUMN 商工会議所、商工会は商店街エリア活性化機構になれるか
第7章 行政と商店主へのメッセージ――今こそ活性化にとりくむ時
❖商店街活性化は市町村の役割
商店街の活性化は〝利益〟になる
従来型の活性化が限界に達している今こそ
市長の理解と決断が必要
そもそも、行政は不公平であっていい
❖活性化の制度設計は国にかかっている
国の役割は環境づくり
金儲けは悪いことなのか
バイアスのかかっていない情報を得る
❖商店主は原点に立ち返れ
商店街活性化に逃げない
土地・店舗を持つ地主には決断が迫られる
商店主は自店の社会的価値を高めること