> > > > 『なぜ、川崎モデルは成功したのか?』(藤沢 久美)

< まちづくり関係のkindle本一覧に戻る

なぜ、川崎モデルは成功したのか?

なぜ、川崎モデルは成功したのか?(藤沢 久美)

◆バブル崩壊後のニッポンはモノづくり大国といわれながらも、製造のメインは賃金の安い中国やアジアへと移ってしまった。いわゆる製造業の空洞化である。工都として発展してきた川崎市はその影響をモロに受け、不況の波にのまれていた。「どうにかしなければいけない」そんな声に応えるべく、川崎市役所内に立ち上がったのが「ものづくり機能空洞化対策研究会」である。週1回朝7時からの会議は800回を超え、川崎市の製造業の発展を討論してきた。彼らは徹底した現場主義を貫き、個々の企業の声に耳を傾けた。そして企業と企業、企業と銀行、または企業と大学などを連携させ、大きなネットワークを形成するに至った。そしてそれが大きなムーブメントをつくり、徐々に活気を取り戻していった。そしてモノづくりの町・川崎は復活したのである。この川崎モデルの成功は、日本の他の自治体をはじめ、国の機関や海外の自治体、マスメディアなども多く、川崎に視察にきているほどだ。ではなぜ、川崎モデルは成功したのか? それは公務員としては異例である、「密着」「おせっかい」「キャラバン隊」という戦略だった。彼らは川崎の企業がよくなるのを待つのではなく、自らが率先となって川崎市の経済を活性させるために立ち上がったのである。本書は、川崎市の中小企業経営者や銀行員たちへの取材から、川崎モデルを推進しているメンバーの奮闘を描いたノンフィクションビジネス本。
◆川崎市から始まる政府・省庁も注目新・中小企業支援。異色公務員集団が大企業や金融機関を巻き込みものづくりの町・川崎市を元気にする! 話題のオープン・イノベーションの最前線!

目次

プロローグ 川崎モデルについて

■川崎市企業訪問の始まり

■リーマンショックのときに生まれた新技術

■大学との連携で自社商品開発

■役所は決定まで時間がかかるという思い込み

■さまざまな意味を持つ川崎モデル

第1章 川崎モデルの誕生までの歩み 工都・川崎市の空洞化

ものづくり大国・日本の縮図――川崎市の発展と衰退

■工都・川崎市の始まり

■研究開発都市への転換

■バブル崩壊から川崎モデルへ

川崎モデルの原点――若き職員の熱

■若手勉強会の始まり

■中小企業支援と中国の現実

■日本初、ものづくり企業のオンライン・プラットフォーム誕生

■勉強会が、経営者の支援を得て本に

■上司の理解を得られなかったからこそ今がある

現在の「川崎モデル」――そこに集う精鋭たち

■市役所職員・木村さんの歩みと川崎モデルの進化

■「出張キャラバン隊」の誕生

第2章 成功例で見る川崎モデル 成功の鍵は「癒着ではなく密着」

川崎モデルの成功例①:森田テック フェイス トゥ フェイスで生まれる絆

■お役所はうっとおしい存在?

■補助金申請から人材発掘までお手伝い

■「できないこと」を楽しむ底力

川崎モデルの成功例②:末吉ネームプレート製作所 次世代へと受け継ぐもの

■お互いおせっかい

川崎モデルの要――コーディネータのお仕事

■「志」が彼らを動かす原動力

■チームとして、「喜ぶ顔が見たい」

川崎モデルの成功例③:ユニオン産業 仙台の大学教授と滑らない箸を開発

■喫茶店と見間違うオフィス

■川崎市が仙台の大学教授に紹介

■なぜ、川崎市代表としてユニペレを紹介できたのか

■不思議と人を巻き込んでいく川崎市役所職員

■沖縄視察も即決断

■公務員同士だからできる、きめ細かな相談

■食を共にし、全人格的に分かり合う

川崎モデルの成功例④:ショウエイ 密着から飛躍へ

■製品名は市役所職員の名前!?

第3章 川崎モデルの営業スタイル 企業の強みを見える化する方法

川崎モデルの真髄はおせっかいにあり

■支援すべき企業を浮き彫りにする認定制度

「川崎ものづくりブランド」:伊吹電子

■善意のおせっかいの極み

■隠し事のない関係

■受賞と認定で販路拡大

製造業のチャンス拡大――「川崎ものづくりブランド」

■より手厚い支援をするために

■川崎ものづくりブランドの応募要領

「かわさきマイスター」:つかさサンプル

■職人の技術を後世に残す

■本物と見間違うほどのサンプル

川崎市の匠を認定――かわさきマイスター制度

■単なる技能の認定制度ではない

■川崎市だけ、増えるマイスター候補者

「かわさき基準」:アソシエCHAKO

■川崎市から「ユニバーサルファッション」を提唱

■未来志向の障がい者支援を経済施策で後押し

第4章 川崎モデルのチームづくり 大企業・企業・大学・中小企業・役所

川崎市の知的財産戦略――大企業と中小企業との橋渡し

■富士通と知財交流〈末吉ネームプレート製作所〉

■NECと知財交流〈森田テック〉

■川崎市の知的財産戦略

大企業側から見た知財交流――なぜ、川崎市は進んでいるのか?

■知財交流の現在

■知財交流に大学の文系力を活かす

■知財流通の鍵は、「顧客の顧客を考えること」

■大企業の研究者が見せたうれし涙

■問題点を発明できる力

■中国、韓国に決断の早さで負ける日本の中小企業

結成!チーム川崎――金融機関との連携

■出張キャラバン隊の一員に〈八千代銀行〉

■抗菌フィルムをATMに

■川崎市に出向させ、中小企業支援を学ぶ〈川崎信用金庫〉

■10年間に5名が財団に出向〈横浜銀行〉

■走りながら仕組みをつくる

第5章 イノベーションを生む川崎モデル オープン・イノベーションの実現

御用聞きからオープン・イノベーションへ

■川崎モデルと5つの非金融資本

■川崎流、元気企業を発掘する方法

■キャラバン隊による、企業の強み発掘の技

■見える化のための苦労の共有

■注目を集めて、えこひいきとおせっかい

■世界水準のオープン・イノベーション・プラットフォームへ

川崎モデルのイノベーション 実例:沖セキ

■墓石にイノベーション

■「まず川崎市に相談しています」

■川崎モデルの「密着」を支える

省庁も自治体も注目――全国に広がる川崎モデル

■徹底現場主義! 書を捨て街に出よ

エピローグ 川崎市のさらなる進化



> > > > 『なぜ、川崎モデルは成功したのか?』(藤沢 久美)

< まちづくり関係のkindle本一覧に戻る