人口減少時代の地方創生論 日本型州構想がこの国を元気にする
(
佐々木 信夫 )
◆これからの日本は、人口がどんどん減少し、大都市への集中が進み、地方は消滅する……という議論が、現在、巷では優勢である。安倍政権は、「地方創生」を改革の柱として据え、様々な政策案を出してきてはいるが、著者によれば、それらは所詮、経済政策に過ぎず、廃藩置県いらい140年以上も同じ区割りで続けられてきた地方行政の抜本的改革にはなっていない。どんどん国の状態が変わっていっている今、現在の地方行政のやり方は、まったく現状に合わなくなってしまったのである。これを変えてゆくための一私案として、本書では、地域主権型の「日本型州構想」を提案する。地域と地域の間に競争関係を復活させ、かつまた、国全体を元気にしてゆくために、思い切った改革が一刻も早く行われなければならない。日本国民の行くべき道の一つのモデルを示した、地方行政・自治論の第一人者による、渾身の一冊である。
◆こうすれば「地方消滅」の心配はない! 2020年までに、新たな国の形をデザインしよう。
目次
はじめに
第1章 人口減社会と地方創生を問う
1.地方創生のあり方を問う
2.改革なくして成長なし
3.経済再生と財政再建は両立する?
4.人口減少に伴う構造的な問題
第2章 日本型州構想への背景
1.東京一極集中の構図
2.「国のかたち」を変える
3.フルセット行政と財政危機
4.規制・保護行政と既得権
5.根を張る1940年体制
6.中央集権体制と府県制度
第3章 日本型州構想とは何か
1.日本の構造改革─州制度への移行
2.広域圏を州にして自立
3.州制度移行をめぐる諸論点
4.「国政改革」をどうするか
5.日本型州構想と地方圏の元気
第4章 東京と大阪という二都構想
1.大都市集中の罠
2.大都市圏が豊かだ─時代の終焉
3.「州」構想と東京問題
4.東京区部をどう扱うか
5.東京西多摩リゾート構想
6.東京都市州の構想
7.東京圏を分断する構造問題
8.大阪都構想実現のシナリオ
第5章 大都市、地方都市、農村の将来
1.人口減少へ市町村はどう取り組む
2.政令市をどうする
3.特別市の構想
4.地方の中核都市
5.小規模町村の将来
第6章 これまでの道州制への懐疑的見方
1.国民のもつ素朴な疑問
2.小規模町村などの懸念
3.諸「懸念」に対する見解
4.日本型州構想への設計を
第7章 日本型州構想をどう実現するか
1.夢の持てる日本づくり
2.どのように州制度へ移行するか
3.国民との合意形成が基本