学者は語れない儲かる里山資本テクニック
(
横石 知二 )
◆30年後、全国で896もの市町村が消滅するかもしれない。この危機感から安倍政権は看板施策として地方の人口と経済を立て直す「地方創生」を掲げた。地方にとっては大チャンス到来だが、国会や中央省庁、学者やコンサルタントが机上の論理を展開するだけでは、従来型の“バラマキ政策”になりかねない。そこで30年にわたり地域再生にとり組み続けている社会起業家が、マスコミが報道しない知られざる地方の実態と、徹頭徹尾、現場での実践から導き出した“地方創生法”を説く。
目次
序章 里山資本を活かす法
▼田舎のおばあちゃんが年収1000万円
▼どん底の田舎町が葉っぱで蘇生
▼地方に大チャンス到来!
▼〝田舎独特の気質〟を踏まえないと痛い目に遭う
▼都会の議論ではうまくいかない
▼「なにかをやってもらう」からの脱却
▼全国の市町村が消滅しないための方法
第1章 「出番」と「役割」をつくる
▼どこの馬の骨ともわからんような〝よそもん〟
▼歴史的大寒波で瀕死の状況に
▼絶対に愚痴をはかない
▼そうだ、葉っぱを売ろう!
▼大反対の嵐……
▼商品はごみ扱い……
▼給料をすべて料亭につぎ込む
▼葉っぱが40億円以上に換わる
▼高齢者同士が競う環境
▼仕事があり収入があること
▼地域に与える9つの影響力
第2章 里山資本で儲ける仕組み
▼「地方創生」より目の前の「問題発見」
▼本当にやる気のある現場人
▼ボランティアでなく儲ける仕組み
▼持続可能な暮らしをどう実現するか
▼とにかく諦めない!
▼絶対に諦めない覚悟はありますか?
▼自分の頭で考える
第3章 地元の〝重鎮〟に気をつけろ!
▼そもそも地方創生とは?
▼〝地方あるある〟を知っておこう
▼地元の重鎮たちを味方につけろ
▼根まわしなしには進まない
▼抵抗勢力が必ず現れる
▼疲弊している地方が根本的に抱える問題
▼論理より情緒が先立つ
▼抵抗勢力はともに改革を進めるためのキーマン
▼まずは聞き役に徹する
▼話し合いのターゲットを見極める
第4章 地域プロデューサーが地方を救う
▼協議会設立はやめましょう
▼補助金のバラマキ
▼地域のイベントに参加して信頼関係を築く
▼自称・地域コンサルタントに気をつけろ
▼余計なお世話にならないために
▼閑古鳥が鳴き続ける箱モノだけが残る悲劇
▼コツコツとヒットを打ち続ける
▼もっと現場目線の議論がほしい
▼欠かせない地域プロデューサー
第5章 効率を重視すると失敗する
▼効率より地道な土台づくりを重視
▼ふるさとづくりが長続きしない理由
▼「失敗するのは当たり前」を前提に
第6章 行政も〝金儲け感覚〟を磨くべし
▼〝金儲け感覚〟が必要
▼本当の公平性を考える
▼補助金はあくまでも短期間の「補助」
▼行政は「金は出しても口は出さん」
▼理想の行政の姿勢
▼現場とのコミュニケーションを絶やさない
第7章 都会での地方ブーム
▼地方に注目する若者が増えている
▼地方創生に必要な両輪とは?
▼東日本大震災をきっかけに
▼人の役に立っているという充実感
▼都会からの移住者を地方がどう受け入れるか
第8章 都会と地方の〝マッチング空間〟をつくれ!
▼田舎はどうやったら変われるか
▼〝都会人とかかわらざるを得ない状況〟をつくり出す
▼「マッチング空間」をつくる
▼「地域密着型インターンシップ研修」のすゝめ
▼「出番」と「役割」で人は変わる
▼仕事があるということ
第9章 現場力を鍛える
▼合理性より現場とのコミュニケーション
▼現場があるから復活できる
▼活力の〝ツボ〟をつかめ
▼ツボのつき方
第10章 これからの「地方」がすべきこと
▼地方には子どもが欠かせない
▼子どもの教育環境が足かせに
▼できれば住み続けたいのに……
▼母親が立ち上がって町にオンライン塾
▼現場発のボトムアップで問題解決
▼教育強化を〝売り〟にせよ
▼とはいえ、加速する人口減少
▼1人の力が10人の力になる
終章 地方は海外に目を向けよ
▼田舎から海外へ挑戦
▼町の9割を占める山林をビジネス源に変える
▼花咲か爺さんで地方創生
▼地域創生の戦略は「1本の柱を決めること」