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創元社「知の再発見」双書
[151 - 200]

< 151 - 200


『ホメロス 史上最高の文学者』

「知の再発見」双書151

ホメロス 史上最高の文学者』

アレクサンドル・ファルヌー(著)本村 凌二(監修)遠藤 ゆかり(訳)

古代ギリシアの詩人ホメロスの叙事詩である『イリアス』と『オデュッセイア』は「人類史上最高の文学」ともいわれ、世界中の文学のなかで特別な位置をしめ、文学以外の分野の芸術家たちの創作欲をも刺激しつづけてきた。しかし、ホメロスの人物像やその生涯はベールに包まれており、叙事詩の内容の真偽を含めて考古学者や歴史家たちの間で今も議論がつづいている。豊富なビジュアル図版とともにホメロスの全容に迫る格好の案内書。

『スーフィー イスラームの神秘主義者たち』

「知の再発見」双書152

スーフィー イスラームの神秘主義者たち』

ティエリー・ザルコンヌ(著)東長 靖(監修)遠藤 ゆかり(訳)

「スーフィー」と呼ばれるイスラームの神秘主義者は8世紀に姿をあらわし、13世紀の隆盛期を経て現在までその思想が受け継がれている。禁欲的で激しい修行を行ない、神と一体化した悟りの瞬間を求めるこの宗教上の大潮流は、ゆっくりとイスラーム世界全体に広まり、特にインドや東南アジアをイスラーム化する過程で大きな影響をおよぼした。知られざる一大宗教思想、スーフィズムの歴史をたどる。

『ロシア正教のイコン』

「知の再発見」双書153

ロシア正教のイコン

オルガ・メドヴェドコヴァ(著)黒川 知文(監修)遠藤 ゆかり(訳)

ビザンティン帝国を起源とするキリストや聖人を描いたイコン(聖像画)。人びとはイコンを聖堂や家にかけ、聖遺物と同様に敬った。しかし、イコン崇敬を異端とするイコノクラスム(イコン破壊活動)も経験し、イコンの教義はロシア東方正教会の信仰の一部として受け継がれていく。奇跡を起こしたイコンの逸話やイコンの制作工程の解説、イコン画家の考察を含め、圧倒的な図版で魅せるロシア正教のイコンの完全版。

『殺人の歴史』

「知の再発見」双書154

殺人の歴史

ベルナール・ウダン(著)河合 幹雄(監修)遠藤 ゆかり(訳)

紀元前から多くの知識人が指摘してきた人間の内奥に潜む「悪意」について言及し、なかでも殺人事件における加害者と被害者、周囲の反応などに絞って詳説する。近現代に起こった数々の殺人事件を紹介しながら、殺人にまつわる法廷での争い、印刷技術の発達に伴う情報伝達手段の推移と新聞の三面記事の起こり、犯罪学という学問の始まり、文学や映画と殺人の関係性などについても幅広く論じた好著。

『シトー会』

「知の再発見」双書155

シトー会

レオン・プレスイール(著)杉崎 泰一郎(監修)遠藤 ゆかり(訳)

シトー会は、11世紀末のフランスで『聖ベネディクトクスの戒律』を順守するために、荒野に建てられたシトー修道院を起源とする。修道士たちは孤独と清貧を求めて労働と祈りの生活を営むが、シトー会の発展とともに、厳格であったその規律が緩んでいく。シトー会の制度、建造物や美術作品などを紹介しながら、シトー会の理想が歴史の中でどのように実現し、また変質し、改革を繰り返しながら現代に受け継がれていったかを綴る。

『ドガ 踊り子の画家』

「知の再発見」双書156

ドガ 踊り子の画家』

アンリ・ロワレット(著)千足 伸行(監修)遠藤 ゆかり(訳)

19世紀後半から20世紀初頭のパリで活躍したエドガー・ドガは、のちに「踊り子の画家」と呼ばれるように優雅な絵画を数多く描いた。ドガは印象派に分類されることもあるが、構図など制作の基盤はあくまでもルネサンスの巨匠や、信奉していたアングルの画風だった。絵画作品の『ダンス教室』や『ロンシャンの競馬』、彫刻作品の『14歳の小さな踊り子』など、彼の代表作とともに天才画家の全貌を紹介する。

『フラ・アンジェリコ 天使が描いた「光の絵画」』

「知の再発見」双書157

フラ・アンジェリコ 天使が描いた「光の絵画」』

ヌヴィル・ローレ(著)森田 義之(監修)遠藤 ゆかり(訳)

「天使のような修道士」を意味するフラ・アンジェリコは、15世紀イタリアのフィレンツェで、画界の寵児として活躍し、現在は芸術家の守護聖人として副者に列せられている修道士画家である。初期ルネサンス芸術に多大な影響を与え、その後の宗教美術の規範となった「アンジェリコ様式」の作品を紹介するとともに、彼の生涯を詳細に解説する。

『モン・サン・ミシェル 奇跡の巡礼地』

「知の再発見」双書158

モン・サン・ミシェル 奇跡の巡礼地』

ジャン・ポール・ブリゲリ(著)池上 俊一(監修)岩澤 雅利(訳)

周囲の海の潮の干満によって、その姿とかもしだす雰囲気を変えるモン・サン・ミシェルは8世紀に建設され、今に至るまで増改築を繰り返した、カトリックの聖地である。しかし同時に百年戦争では要塞になり、フランス革命後は牢獄になるなど、波乱に富んだ歴史を刻んでいる。本書はこうした起伏の激しいモン・サン・ミシェルの歴史を中心に叙述し、貴重な図版によって今なお世界遺産としても人気を集めるその美しい姿を伝える。

『サンティアゴ・デ・コンポステーラと巡礼の道』

「知の再発見」双書159

サンティアゴ・デ・コンポステーラと巡礼の道

グザヴィエ・バラル・イ・アルテ(著)杉崎 泰一郎(監修)遠藤 ゆかり(訳)

9世紀にスペインのサンティアゴ・デ・コンポステーラで、イエス・キリストの使徒・聖ヤコブの墓が発見された。その後、キリスト教国はイスラム教国との領土争いの中で、しだいに聖ヤコブを守護聖人として崇拝するようになり、この地への巡礼が盛んになっていく。エルサレム、ローマとともに世界三大巡礼地の一つとされるサンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼の道の歴史と、巡礼路を彩るキリスト教建築物を多くの図版で紹介する。

『カタリ派 中世ヨーロッパ最大の異端』

「知の再発見」双書160

カタリ派 中世ヨーロッパ最大の異端』

アンヌ・ブルノン(著)池上 俊一(監修)山田 美明(訳)

12世紀半ばから14世紀初頭にかけて南フランス、なかでもラングドック地方を中心に勢力を伸ばしたカタリ派。カトリック教会とは大きく異なる教義や儀式体系を備え、そればかりか別様の組織・制度を作り上げた。震撼した教皇庁はフランス王権と手を組んで激しい弾圧を繰り返し、ついにはアルビジョア十字軍を組織することになる。中世最大のキリスト教異端を気鋭の研究者が社会的変動期の民衆の宗教的覚醒という視点で描き切る。

『テロリズムの歴史』

「知の再発見」双書161

テロリズムの歴史

フランソワ・ベルナール・ユイグ(著)加藤 朗(監修)遠藤 ゆかり(訳)

「おまえたちが命を愛している以上に、われわれは死を愛している」。このビン・ラーディンの言葉が、暗澹たる未来を予測しているように、昨今では「死を愛している」としか思えない自爆テロや大量破壊テロが頻発している。しかし「思想のために人を殺す」といったように、本来テロには具体的な目的があった。政治目的を達成する手段のひとつがテロだったのだ。テロリズムの定義と歴史を知るのに最適な好著。

『シャーマニズム』

「知の再発見」双書162

シャーマニズム

シャルル・ステパノフ、ティエリー・ザルコンヌ(著)中沢 新一(監修)遠藤 ゆかり(訳)

神仏や精霊などと交流・交信する能力を持つシャーマンとは何か。占い師であり、医師であり、人間世界と精霊が住む目に見えない世界の仲介者でもある彼・彼女らの実像に迫る。シャーマニズムに関する神話の世界から自然との関わり、儀式における所作や象徴、音楽について深く掘り起こす好著。さまざまな衣装に身を包んだシャーマンの様子を伝えるカラー写真やシャーマニズムの世界を活写した図版を多数掲載。中沢新一氏監修。

『水の歴史』

「知の再発見」双書163

水の歴史

ジャン・マトリコン(著)沖 大幹(監修)遠藤 ゆかり(訳)

身の回りにあふれ、普段は気にもかけない水は、生命誕生の源であり、他の物質にはないさまざまな性質を持っている。本書は写真や科学的な模式図だけではなく、絵画や想像図などを絡めた多角的な視点から解説。また、資源としての水がクローズアップされるにつれ、水の占有などの問題が取りざたされるようになってきた。果たして人類は水を枯渇させることなく、持続可能な社会を構築できるのか、課題となる視点を提供する。

『パブロ・カザルス 奇跡の旋律』

「知の再発見」双書164

パブロ・カザルス 奇跡の旋律』

ジャン・ジャック・ブデュ(著)細田 晴子(監修)遠藤 ゆかり(訳)

チェロの近代的奏法を確立した20世紀の巨匠の生涯。カザルス以前のチェロは、ピアノやヴァイオリンよりも劣る楽器とみなされ、その音色は耳ざわりとまで言われることもあった。しかしカザルスは演奏の姿勢から技法までを改革し、自然な演奏を可能にした。また、スペインのカタルーニャ地方出身であり、フランコ独裁政権への抗議や反ファシズムの姿勢を取り続けた平和活動家としての顔も持つ。「奇跡の旋律」が生まれた歴史に迫る。

『ピサロ 永遠の印象派』

「知の再発見」双書165

ピサロ 永遠の印象派』

クレール・デュラン・リュエル・スノレール(著)藤田 治彦(監修)遠藤 ゆかり(訳)

1830年にデンマーク領アンティル諸島で生まれたカミーユ・ピサロは、フランスで画家としての生涯を送った。主に農村風景を描き、自然の風景や人々の暮らしを豊かな色彩で描いた。8回行われた印象派展のすべてに唯一参加。若手画家との交流も盛んに行い、新印象派の作品を熱心に制作した。また、晩年には都市景観などの描写にも取り組んだ。19世紀の印象派の中心的存在であり続け、印象主義の探求に人生を捧げた巨匠の軌跡。

『ヴュイヤール ゆらめく装飾画』

「知の再発見」双書166

ヴュイヤール ゆらめく装飾画』

ギィ・コジュヴァル(著)小泉 順也(監修)遠藤 ゆかり(訳)

エドゥアール・ヴュイヤールは、ピエール・ボナールやモーリス・ドニとともにナビ派を代表するフランスの画家のひとり。大胆に切断される構図と平面的な展開や、短縮法、調和性を重視した色彩表現を駆使した絵画作品を制作した。また、ベル・エポック時のパリにおいて、室内装飾や舞台美術も精力的に手掛けた。人物像としては、厳格で繊細。ストイックに制作に励み、生涯独身を通した稀有な画家の作品と歩みを紹介。

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