ロンドン―東京5万キロ
―国産車ドライブ記―
朝日新聞社
すべて、とりとめなく、見果てぬ夢の実現であった。しかし、調査、手続き、申請、交渉──一切の準備工作が決してスムーズに運んだわけではない。日本人、そして日本の車としては、いままでに前例のないことばかり。思いがけない困難や障害の続出。正直なところ、こう思った──無事にロンドンを出発できれば、旅行はもう、なかば終わったようなものだ……
- 1・テムズ河畔の泣き笑い
- 夢と退屈と反省と/3
- テムズ河畔の泣き笑い/8
- ささやかな愛国心/11
- 「カルネ」という名の書類/14
- 「トヨペット」ロンドン着/20
- 春のイングランド/25
- 出発の前夜/29
- 2・春のヨーロッパ
- さらばアルビォンの国よ―イギリス/35
- リンゴの花とブドウの芽―西南フランス/38
- 深夜のアルプス越え―南仏からパリへ/47
- 箱庭と温室チューリップ―ベネルックス三国/56
- アウトバーン空走り―西ドイツ/68
- 危険かつ退屈な風光美―スイス/78
- 大理石と粘土―北イタリア/88
- ローマの忙日―ローマからヴェニスへ/97
- 緑の国―オーストリア/112
- 3・渡り鳥行き交うバルカン
- 人なつっこい共和国―ユーゴ/123
- 荒涼たる神話の国―ギリシャ/149
- ヤバシ、ヤバシの国―トルコ/159
- 4・炎熱の砂ばくを越えて
- 燃えあがるナショナリズム―シリア/179
- フェニキアの古都―レバノン/191
- 引き裂かれた平和の首都―ヨルダン/197
- 熱砂の国―イラク/207
- 中央アジアの高原―イラン/219
- 5・なつかしいアジアの国々
- 宗教意識の作った国―パキスタン/249
- 悠々天地とともに―インド/261
- 仏教と社会主義―ビルマ/274
- バンコックからバンコックヘ―タイ、カンボジア、南ヴェトナム/278
- 旅路の終わり―日本へ/294
- あとがき/304