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患者必読
医者の僕がやっとわかったこと

朝日新聞出版

患者必読 医者の僕がやっとわかったこと(新見正則)

医療の是非は死ぬ時までわからない。本書には自らの選択を後悔しない賢い患者になるために、知っておきたい医療の事実が満載。著者は、マウスにオペラを聴かせるという独創的な手法で「病は気から」を科学的に実証し「イグ・ノーベル賞」を受賞した臨床医。日本初の保険診療によるセカンドオピニオン外来を開設し、西洋医学に飽き足らず漢方を学び、移植免疫学研究の分野でも活躍する著者が、多様な経験から見いだした大前提の事実は「医療は常に“壮大な人体実験”の途中」ということ。何が正しいかは誰にもわからないからこそ、患者は自分にとって最善の選択をしてほしいという思いを込めた1冊。〈ISBN〉9784023312784

  1. はじめに/1
  2. 1章 自分の死にかた、家族の送りかた/21
    1. 何が正しいかはわからない/22
    2. 「老人の友」のお迎え/23
    3. 食べられなくなったときが最期のとき/24
    4. 点滴では“枯れるように”死ねない/25
    5. モルヒネはふんだんに/27
    6. あの世に思いを馳せてみる/28
    7. 戦うもよし、受け入れるもよし/30
    8. 臓器移植をどう考えるか/33
  3. 2章 現代医療が治せるもの、治せないもの/35
    1. 1 それでも現代医療はすばらしい/36
      1. ヒトは自然に治る/36
      2. 人体は複雑系である/37
      3. 医療は経済学と同じである/39
      4. 人の一生を代弁できる動物はない/42
      5. 外科治療も人体実験の連続/44
      6. column 外科手術と移植技術の歴史の長さは同じ/46
      7. それでも医療の進歩はすばらしい/49
    2. 2 医療の進歩と「限界」/51
      1. デジタル疾患とアナログ疾患/51
      2. デジタル疾患
        1. がん
          1. がんの原因は何か/52
          2. どの「がん予防法」を信じる?/54
          3. がんの転移をどう解釈するか/59
          4. column 高カロリー輸液で食べなくても生きられる/62
          5. 「高齢だから要らないでしょ」と言われても/65
          6. 子宮頸がんは唯一予防できるがんなのか/67
          7. column 全身麻酔が外科の進歩を促した/69
        2. 糖尿病 糖尿病内服薬の知られざる矛盾/71
        3. 心臓・血管病
          1. 2700万人の日本人が高血圧?/73
          2. 脳卒中(脳血管障害)は搬送先がキモ/76
          3. コレステロール値が高いのは悪いか/77
          4. 一期一会の命を救うのはあなたかもしれない/79
          5. コレステロール値が高いと動脈硬化になる?/82
          6. column 命がけではなくなった心臓手術/84
          7. 腹部大動脈瘤の生死の境い目は5.5センチ/86
        4. 骨粗鬆症 骨粗鬆症に仕立てられる人々/88
        5. ピロリ菌 胃がんか食道がんか、ピロリ菌で板ばさみ/91
        6. インフルエンザ インフルエンザはただの風邪/95
        7. 風疹 子どもなら風疹の友達のお見舞いへ/97
        8. 麻疹(はしか) たった11年で破られた麻疹根絶宣言/99
        9. 子ども
          1. 登校停止・学級閉鎖の根拠は有効か/101
          2. 子どもの高熱は機嫌で判断/102
        10. 抗生物質
          1. 抗生物質が招いた抗生物質が効かない菌/104
          2. 最初の抗生物質ペニシリンが完治に導いた病/105
        11. 結核 今でも年間2000人が亡くなる結核/107
        12. B型肝炎
          1. 外科医にも危険性が及ぶB型肝炎/109
          2. column ABO式血液型よりも大事な情報/111
        13. HIV
          1. 爆発的に広がったHIV/114
          2. column DNAとRNA/116
        14. 貧血 いわゆる「貧血」は貧血ではない/120
        15. 関節リウマチ
          1. 関節リウマチは薬/122
          2. column ちょっと難しい抗体のはなし/124
        16. アトピー性皮膚炎
          1. アトピー性皮膚炎はまず原因を取り払う/128
          2. 奇跡の薬と呼ばれたステロイド/130
        17. アナフィラキシーショック
          1. アナフィラキシーショックから自分を守る/131
          2. column 自然免疫システムの再発見/133
        18. 甲状腺 甲状腺ホルモンは多すぎても少くても病気/135
        19. 不妊治療 世代を越えてなければ問題が見えない不妊治療/137
      3. アナログ疾患
        1. 自律神経失調症 自律神経失調症は〝ゴミ箱診断名〟/139
        2. 腰痛 ストレスによる腰痛は漢方がオススメ/142
        3. 頭痛 頭痛は必要以上に恐れなくていい/143
        4. 頻尿 加齢による頻尿は病気ではない/145
        5. 認知症
          1. ぼけないための7ヵ条/147
          2. アルツハイマー病と牛海綿状脳症/150
        6. うつ病 うつ病のほとんどは寝ていれば治る/152
        7. 不眠 不眠は健康に悪くない/157
        8. 冷え性 冷え性も気から?/159
        9. 統合失調症
          1. 統合失調症はめずらしい病気ではない/163
          2. column 陣痛促進剤オキシトシンの怪しい薬効/165
        10. てんかん てんかんは正しい内服でおつきあいを/167
  4. 3章 本当に必要な薬/169
    1. 内服薬を凝ってみよう/170
    2. 薬は全身を回っている/172
    3. 薬を飲むとやせなくなる/173
    4. 偽薬効果も悪くない/174
    5. WHO必須医薬品モデルリスト/177
    6. 新薬に安全性を求めてはいけない/179
    7. 理想的な薬の飲み方/180
    8. 治験はこうしておこなわれる/182
    9. 治験論文の工作作業はあたりまえ!?/185
    10. なんとなく効いても自主回収/187
    11. ジェネリックと先発医薬品は同じではない/189
    12. 医薬品特許の不思議/190
    13. 驚くべきインドの特許事情/191
    14. 運と縁で見つかる薬/192
    15. そもそも薬って何?/193
    16. 製薬会社はもちろん営利企業/197
    17. かつては胡散臭いと思っていた漢方/199
    18. 保険適用の漢方は月千円/202
    19. とりあえず漢方/203
    20. 漢方はアナログ疾患にピッタリ/204
    21. 漢方薬の飲むときの注意点とは/205
  5. 4章 名医の基準/207
    1. 名医とは?/207
    2. 名医に診てもらえば患者は幸せ?/208
    3. 波長が合う医師が自分にとっての名医/210
    4. だまされても良いと思える人に/211
    5. 話を長く聞いてれる先生がいい?/212
    6. 薬を出すか出さないか、そこがプロの勝負どころ/213
    7. 前の医者の悪口を言う医師はダメ/214
    8. 「もう少し早く来ていれば」は思いやりのない証拠/215
    9. 「今の医学では……」発言は万能医以外禁句/216
    10. 抗生剤は風邪に効かない/217
    11. 睡眠剤、抗うつ剤、抗不安薬は要注意/218
    12. テレビに出ていたら名医 なんてウソ/219
  6. 5章 いい病院、よくない病院/221
    1. アメリカに比べれば日本の病院はどこもいい/222
    2. まずは近所の病院から探そう/223
    3. 病院も企業/224
    4. 病院ランキングは信用できるか/225
    5. 古いと汚いとでは話が違う/225
    6. 病院の方針で人生が決まる!?/226
    7. 個室を勧める病院は商売っ気たっぷり/228
    8. がん患者の弱みにつけこむ免疫療法/229
    9. 高額医療費制度は説明すべき/230
    10. 診察室以外の場所でスタッフに品格はあるか/231
    11. 患者さま患者さましている病院はサービス業/232
    12. 「治療しない」という選択肢も提供する病院/233
    13. 難しい治療にもあえて調整姿勢/234
    14. 医療ミスは起こるものという前提に立てるか/235
  7. 6章 検診・人間ドックは受けるべきか/239
    1. 医療費削減に予防医療はナンセンス/240
    2. 医療従事者は人間ドックを受けていない/241
    3. 遺伝子検査も悪くない/242
    4. 知らなくてもいい病気まで見つかる/243
    5. グレーな奴と付き合う覚悟はあるか/245
    6. X線・CT検査による被曝の影響は不明/246
    7. 人間ドックにも市場原理が働く/249
    8. ワクチンは天然痘の種痘以外いらない!?/250
    9. 病気の可能性かワクチンの安全性か/252
    10. 日本のワクチン市場は年間2千億円/253
    11. 海外から入ってくるから予防が必要?/255
    12. 予防接種は強制ではない/256
    13. 認知症の予防接種に期待/257
  8. 7章 「常識」を鵜呑みにしない/259
    1. まずは老化を受け入れる/260
    2. 「○○には□□が効く」は本当か?/260
    3. すべての食べものは悪いと思おう/261
    4. 呼吸をして、歩こう/263
    5. 不安定要素を取り入れる/263
    6. 石けんは使用しない/264
    7. うがいは水やお茶で/265
    8. ちょいデブも悪くない/266
    9. 今元気ならそれでいい/267
    10. リスクというおまけつきで喫煙はお好きに/269
    11. アル中はヘビースモーカーより危険/270
    12. 同じ時間に起きよう/271
    13. アウトプットを大切に/272
    14. 「免疫力」はバラエティ番組用の言葉/273
  9. 終章 リスクは自分で判断しなさい/277
    1. 無病・無菌・仲良し集団は健全か/278
    2. 生きていること自体が不確実/280
    3. リスクの確率/282
    4. リスクはゼロにはならない/285
    5. 最高の医療制度を支える医師とパラメディカル/287
    6. 日本の医療問題は医師不足のせい?/288
    7. 私たち日本は皆保険/289
    8. 後期高齢者医療(長寿医療制度)とは/290
    9. 医療は市場原理に影響される/291
    10. プロとしての情報の扱いを/293
    11. 人は変わっていく/294
    12. 人はいろいろ、標準の人間などいない/296
  10. あとがき 希望が湧く生活を/299


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