「亡命者」ストーリー
ロミュラン船に追われた小型の偵察船が、中立地帯を横切って連邦の領域へと逃げてきた。乗員のロミュラン人は武器補給部のシートール中尉と名乗り、亡命を希望して、ロミュランが200年の沈黙を破り、条約に違反して中立地帯へと侵攻しているという情報を伝えた。
ピカードは、その情報を信用すべきか迷った。シートール中尉が示したネルバナ3号星付近を探査機で調査すると、遮蔽装置に関連する低レベルの亜空間波が観測された。しかし、この証拠によっても彼の情報が正しいという証明にはならない。ネルバナ3号星は中立地帯にあり、そこに進入すると戦争になる危険があった。
その後、シートール中尉は自分は本当は、ロミュランのジャロック提督であることを明かし、ロミュラン艦隊の現在位置や軍事力、戦術計画を全て語ってくれた。彼はロミュランの司令部に「また戦争が勃発すれば、帝国は滅びる」と訴えていた。それに耳を貸さない司令部に対し、娘の将来を心配するあまり、亡命という非常手段に訴えて戦争を止めに来たのだ。
しかし、エンタープライズが危険を犯して中立地帯に入ると真実が明らかになった。侵攻計画はなく、亜空間波も偽造されたものだった。ウォーバードが遮蔽を解除して、エンタープライズに降伏を要求した。実はジャロック提督は既に疑われており、何の価値もない情報を与えられ亡命するように仕向けられたのだった。
その時、前もって連絡を取っていた3隻のクリンゴン船が遮蔽を解除して現れた。状況が覆されたため、ウォーバードは戦闘体勢を解除して退却した。しかし、ジャロック提督は自分のしたことが無駄だったことを悟った。ジャロック提督は船室で自殺した。平和になったときに、いつか家族に届けてほしいと願った一通の手紙を残して。